「徹底的に千葉」を指針に 千葉日報社社長・萩原博 年頭ごあいさつ


 2015年の新春の幕開けを読者、県民の皆様とともに喜びたい。

 昨年は第2次安倍政権の経済対策「アベノミクス」の進化が問われる1年だった。円安株高が進行。輸出企業を中心に好業績に転換した企業が相次いだ。一方で、消費税増税などで個人消費の回復が遅れ、国内総生産もマイナス成長。再増税先送りを決めた安倍首相が「アベノミクス」の継続を訴えて、年末の衆議院解散・総選挙に打って出たのには驚いたが、結果は与党が大勝。国民は政治の安定と「アベノミクス」継続、景気の回復を引き続き委ねた。

 県内を振り返ると、明るい話題が多かったように思う。圏央道では茨城県稲敷-神崎間が開通するなど事業は順調。東京湾アクアラインのETC普通車通行料800円も継続され、企業立地や大型商業施設の増床、新規オープンが続いた。第2回アクアラインマラソンも大成功だった。成田国際空港でも国内外からLCCの新規就航が相次ぎ、本県への観光客数も過去最高を記録。県産品をアジアに売り込む森田知事による2度のトップセールスも印象に残った。

 円安による原材料価格の上昇などで中小企業の一部に回復の遅れがみられるものの、今年も経済は緩やかに回復するとの見方が強い。「アベノミクス」効果を大企業から中小企業、都市部から地方へ行き渡らせ、低所得層まで景気回復を実感できるようにすることが今年の安倍政権の最大の課題だろう。

 その点、本県は有利だ。首都・東京に隣接し東京湾アクアラインをはじめ成田国際空港、幕張メッセ、東京ディズニーリゾートなど多くの「宝」を擁する。

 3月には圏央道大栄-神崎間も開通が見込まれ、首都圏各地から成田国際空港へのアクセスが格段と向上。物流・観光への波及効果も期待できる。ただし、圏央道の外側の地域では人口減に悩む。「ハード」施設のポテンシャルを、地域活性化や生活の向上につなげるリーダーシップを県および関係自治体には引き続き発揮してほしい。

 今年はまた、2020年東京オリンピック・パラリンピックへ向けた「オールちば」での取り組みのキックオフの年ともなる。県は昨年末、「キャンプ誘致とスポーツ振興による地域の活力づくり」などを目的にした「推進会議」と、戦略を策定する「専門部会」を設置、態勢を整えた。五輪開催は様々なインフラを整備するよい機会だが、「ハード」施設を効率的に活用するノウハウやおもてなしの心の醸成など「ソフト」部分の開発・育成こそ重要との指摘もある。

 中でも「積極的な情報発信」「千葉の魅力のブランディング」「世界に通じる人材育成」は「ソフト」の鍵ではないだろうか。海外からの観光客は五輪開催期間中よりその後の方が多いとのデータもある。五輪に向けて整備した「ハード・ソフト」を、いかにその後の地域活性化に活用していくか、その視点を大切にしたい。

 千葉日報社でも産官学民の動きを細大漏らさず、フォローしていく。健全な地域ジャーナリズムの精神と、「徹底的に千葉」を今後の指針として、千葉の魅力と県民のやる気・元気を発信していく。読者・県民の理解と支援を寄せていただければと思う。