給食作りに全身全霊 児童へ「おいしい」届ける 男性栄養教諭のパイオニア 松丸奨さん(40)松戸市出身 【ちば新時代 私たちの挑戦】

配膳の仕方を指導する松丸さん(本人提供)
配膳の仕方を指導する松丸さん(本人提供)
過去に給食作りで失敗した経験を振り返り「子どもたちの悲しそうに食べている顔が忘れられない。給食は最高においしくなくちゃいけない」と語る松丸さん=東京都文京区
過去に給食作りで失敗した経験を振り返り「子どもたちの悲しそうに食べている顔が忘れられない。給食は最高においしくなくちゃいけない」と語る松丸さん=東京都文京区

 男性栄養教諭のパイオニアだ。献立日本一を決める全国学校給食甲子園で優勝した経験があり、給食作りに全身全霊で取り組む熱血漢でもある。「好き嫌いが直る最高においしい給食」を目指し、日々研究を欠かさない。経験やレシピを惜しげもなく伝える。「そうしたら日本中の子どもたちが給食を好きになるかなと。けっこう大きい目標を持ってやっている」

 「松丸先生」。勤務先の東京都内の小学校で廊下を歩くと児童から声をかけられる。「顔が見える栄養士でいたい。(給食が苦手でも)松丸先生が作ってくれていると分かるだけで食べてくれる子どももいる」。給食の時間には全学年を回り栄養指導を行う。希望者にその児童に合わせた写真工程付きのレシピを作って配布することも。100人待ちという人気ぶりだ。

 実は小学校低学年のとき「給食の時間がつらかった。好き嫌いが多く、食べられるものがほぼなかった」。当時の栄養士に「一口食べたら、すごく良いことしか起きないよ」と諭され、思い切って苦手なメニューを食べてみたら、その日の体育の授業で初めて逆上がりができた。「あれ、さっき食べ ・・・

【残り 7760文字】



  • Xでポストする
  • LINEで送る