特産イワシ煮干し香る 水産老舗が逸品ラーメン 九十九里町なかみち 【北総・九十九里 ちまたで話題のあの店】(1)

厨房でラーメンを作る仲松店長。「他のラーメン店と比べて使う煮干しの量は断然多いと思う」と話す=九十九里町
厨房でラーメンを作る仲松店長。「他のラーメン店と比べて使う煮干しの量は断然多いと思う」と話す=九十九里町
煮干しをふんだんに使った特製のしょうゆラーメン(右)と、ミニしらす丼
煮干しをふんだんに使った特製のしょうゆラーメン(右)と、ミニしらす丼

 片貝漁港を擁し「イワシの町」として知られる九十九里町。片貝中央海岸近くの道路を進むと、イワシが目印の看板や真新しい店舗が目に飛び込む。1902(明治35)年創業の水産加工会社「なかみち水産」(同町)が今年5月30日にオープンしたラーメン店で、同社のイワシ煮干しを使った逸品が味わえる。

 メニューは、イワシの煮干しをふんだんに使ったしょうゆラーメンの「煮干し香る中華そば」(税込み850円)や、味玉やチャーシュー2枚などを追加した「特製」のしょうゆラーメン(同1200円)など。しょうゆラーメン以外にも塩ラーメンや担々麺、しらす丼などを提供。ソフトドリンクやアルコールも用意し、気軽に立ち寄れる。

 「おかみさん」と親しまれ、厨房で切り盛りする仲松淳子店長は「煮干しの風味を味わってほしい」と「イワシの町」ならではのラーメンをアピール。仲松店長は東京都品川区の人気店「中華そば多賀野」でスープ作りを1年弱勉強した。平日のランチ時間帯に訪れると、親子連れやお年寄りが話に花を咲かせながら食事を楽しんでいた。

 2021年に代表就任した「なかみち水産」の行方孝造社長は5代目。高校を出た後に東京・築地市場で働いた後、10年代半ばに故郷の同町に帰った。久しぶりに地元で過ごし街並みを見ると、以前より活気がない同町の様子を感じたという。

 九十九里浜のほぼ中心部に位置する同町は江戸時代からイワシ漁が盛ん。片貝漁港近くの観光施設「海の駅九十九里」内の「いわし資料館」では漁の歴史を紹介する。イワシ漁とともに町は栄えたが、同町は鉄道駅がなく交通が不便で、近年は人口減が著しい。今年7月1日現在の人口は1万4114人で、19年同日時点(1万5804人)と比べて約1割減った。

 「九十九里に暮らす人も九十九里を訪れる人も、誰でもいつでも立ち寄れる場所をつくりたい」。39歳の若き社長はそんな思いから、同社近くでラーメン店の開店を決めた。店名には町名を付けて「九十九里町をもっとみんなに知ってもらいたい」と話す。「店が増えれば、雇用も増えてくる。この動きがどんどん広がればいい、という思いもある」

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 海あり、山あり、川ありで、名産品も数多い北総・九十九里地域。昨年の新型コロナウイルス5類移行を経て、街ににぎわいが戻ってきた。北総・九十九里地域で話題の店を紹介し、経営する人々の思いも伝える。

◇住所=九十九里町片貝6650
◇営業=平日は午前11時~午後2時、午後5~8時。土曜は午前11時~午後3時、午後5~8時。日曜と祝日は午前10時~午後3時、午後5~7時。(月曜定休。祝日の場合は火曜休み)
◇問い合わせ=https://www.andnakamichi.com/contact/index.html

 


なかみち

九十九里町なかみち

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