2024年12月12日 05:00 | 有料記事

親善大使の委嘱状を見せるさださん。左は田中甲市長=5月、市川市文化会館
「大使」になったら、「手児奈の歌」を作るというのはどうか、とさだまさしさん(72)に質問したのは就任式の最後、本人との短い質疑応答の時だった。
5月24日、市川市文化会館で開かれた市親善大使就任式。全国ツアー幕開けの市川公演が迫っていた。
「ああ! 真間の手児奈!」。国民的シンガーソングライターは青春時代を思い出したかのような反応を見せた。「万葉集にも出てくる伝説。市川の深い歴史がこういうことからも分かりますよね」
手児奈。日本最古の歌集「万葉集」で、山部赤人や高橋虫麻呂にも詠まれた女性。現在の市川・真間地区に住み、際立つ美貌に引かれた男たちの間で争いが起こると、絶望して身を投げたと伝わる。
中学1年の時に長崎から上京、市川に約20年住み数々の名曲を送り出してきたさださん。万葉集に詳しいのは周知の事実 ・・・
【残り 9635文字】