美女伝説歌う日来るか 独自の文化資産、知る年に さだまさしさんと「手児奈」 市川 【回顧2024 取材メモから】

親善大使の委嘱状を見せるさださん。左は田中甲市長=5月、市川市文化会館
親善大使の委嘱状を見せるさださん。左は田中甲市長=5月、市川市文化会館

 「大使」になったら、「手児奈の歌」を作るというのはどうか、とさだまさしさん(72)に質問したのは就任式の最後、本人との短い質疑応答の時だった。

 5月24日、市川市文化会館で開かれた市親善大使就任式。全国ツアー幕開けの市川公演が迫っていた。

 「ああ! 真間の手児奈!」。国民的シンガーソングライターは青春時代を思い出したかのような反応を見せた。「万葉集にも出てくる伝説。市川の深い歴史がこういうことからも分かりますよね」

 手児奈。日本最古の歌集「万葉集」で、山部赤人や高橋虫麻呂にも詠まれた女性。現在の市川・真間地区に住み、際立つ美貌に引かれた男たちの間で争いが起こると、絶望して身を投げたと伝わる。

 中学1年の時に長崎から上京、市川に約20年住み数々の名曲を送り出してきたさださん。万葉集に詳しいのは周知の事実 ・・・

【残り 9635文字】



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