2024年12月20日 05:00 | 有料記事

「海城サミット」の講演会で、里見対北条の攻防戦を語る滝川恒昭・敬愛大学特任教授=3月、富津市
中世城郭の魅力を探るイベントが盛り上がり、房総の戦国大名・里見氏への関心も高まった。地域に眠る歴史を掘り起こすことで、その土地に刻まれた物語が呼び覚まされる。一過性のブームで終わらず、人の交流を促し、新たな価値の創造につながればとの思いが巡った。
富津市を中心に内房地域で年明け早々に始まったイベントが「海城サミット」だった。主催は、千葉城郭保存活用会(小室裕一代表)。御城印発行の取り組みに加え、昨年初めて海城サミットを開催したところ好評で2年目を迎えた。
里見氏は、東京湾を挟んで相模の北条氏と攻防を繰り返した。湊を守り、水軍の拠点として沿岸に築かれた山城を「海城」と同会は呼び、スタンプラリー、バスツアー、講演会などが4月末まで続き、歴史愛好家の注目を集めた。
中世城郭は「土の城」。これといった建造物が現存せず、一見しただけではただの山と思われるかもしれない。壮大な天守閣や石垣が目を奪 ・・・
【残り 9650文字】