3兄弟苦難乗り越え 創業300年ブランド守る 藤平酒造(君津市)【房総の酒に乾杯 ユネスコ文化遺産登録】

酒蔵内のタンクの前に立つ藤平酒造代表の淳三さん=君津市
酒蔵内のタンクの前に立つ藤平酒造代表の淳三さん=君津市
次男の典久さん(藤平酒造提供)
次男の典久さん(藤平酒造提供)
長男の和也さん(藤平酒造提供)
長男の和也さん(藤平酒造提供)

 名水で知られる君津市久留里で、江戸時代中期の享保元(1716)年の創業から300年以上の歴史を誇る藤平酒造。早生した父から受け継いだブランドを当代の3兄弟が守り続けている。房総半島台風では酒蔵が被災し、2023年には9代目で代表の藤平淳三さん(52)が大病に見舞われるなど苦難続きだったが、一致団結して危機を乗り切ってきた。

 「家族でやっているから目が届き、納得のいく品質のお酒を造ることができている」。淳三さんは穏やかにほほ笑む。

 藤平酒造では長男の和也さん(59)が店舗などの事務全般を担い、次男の典久さん(56)が製造責任者の杜氏(とうじ)、三男の淳三さんが麹(こうじ)師と営業を担当。兄弟での分業を3本柱とし、仕込みは全員で行う。家族以外の社員は1人、パートも2人と少数精鋭の布陣だ。

 酒蔵として掲げる理想の酒は「王道を行く日本酒」と淳三さん。人気銘柄「福祝 ・・・

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