「いのちの時間」<第2章> 作・相羽亜季実 第63回千葉文学賞受賞作品

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 ランチ営業が終わり、表の札をひっくり返して準備中にする。夜の営業が始まる五時までは休憩時間だったが、今日は面接の予定だ。

 いつもなら帰るはずの多喜子は、座敷席で壁にもたれ、大きなお腹をせり出して座っていた。面接に同席するつもりらしい。

「だって、お父さ ・・・

【残り 1278文字、写真 1 枚】



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