石綿禍、住民の健康被害初認定 クボタに賠償命令 

クボタの旧神崎工場(左上)周辺住宅地=2005年12月撮影

 大手機械メーカー、クボタの旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民2人が中皮腫で死亡したのは工場で使っていたアスベスト(石綿)が原因として、遺族が同社と国に計約7900万円の損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁(小西義博裁判長)は7日、1人については「工場の石綿によって中皮腫で死亡した」と認定、クボタにのみ約3190万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

 国の賠償責任は否定した。

 石綿被害をめぐっては、工場労働者や運搬作業員らによる訴訟で企業や国に賠償を命じた判決はあるが、「近隣暴露」による周辺住民の健康被害について企業の責任を認めたのは初めて。


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