米銀行規制強化に懸念 FRB幹部「融資を阻害」

 【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は25日、オーストリアでの会合で、FRBが検討を進めている銀行の資本に関する規制強化について「不必要に銀行の融資を阻害し、競争を低下させると懸念している」と述べた。FRBの方針に内部から異論を唱えたとみられ、規制強化の議論に影響を与える可能性がある。

 シリコンバレー銀行(SVB)などの破綻を受け、FRBはSVBへの監督を検証し、規制強化が必要と結論づけた。パウエル議長は今月の議会公聴会で、大規模な銀行とSVBのような中堅銀行に対し、求める自己資本の基準を引き上げる可能性に言及。今夏に規制案が示されるとした。

 銀行規制を巡っては、トランプ前政権が規制を緩和。FRBは検証で「効果的な監督を阻害した」と批判した。しかし、ボウマン氏は前政権の規制に対する批判について「説得力ある証拠を見たことがない」と疑問視。FRBの検証についても、バー金融監督担当副議長が主導したことを念頭に「1人の成果であり、ほかの理事によって見直されることはなかった」と批判した。


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