2013年7月21日 11:56 | 無料公開
狙っていた。「直球が速いと知っていた。ヤマを張った」と早川匠寿。2点差を追う八回1死満塁で、京葉の2年生は強気を崩さなかった。
相手投手の代わり鼻、その初球。外角の“狙い球”を仕留めると「バッチリの感覚」の手応えを残し、打球は右中間を真っ二つ。逆転の3点三塁打に、今関守監督は「ウェイティングしがちな場面で初球を打った。たいしたもの」と賛辞を惜しまなかった。
思いが込められていたからこそ、迷わずバットを振り抜いた。
春季大会地区予選で走塁中に右足首を捻挫し、骨にはヒビ。同じく右手首を骨折したエース渡部圭太とリハビリの日々を過ごし、グラウンドの隅で「一緒に(QVC)マリンに行こう」と誓い合った。「リハビリがつまらなくならないように、いつも先輩が盛り上げてくれた」
県大会は右翼手の高品優が二塁へ入り、早川の穴を埋めた。感謝の気持ちと同時に、こみ上げてきた。「このチームの一員に入って、3年生と一緒に活躍したい」。その二塁のポジションは、昨年まで二つ上の兄が守っていた位置。引き継いだ意地もあった。