
2023年は千葉県誕生から150年の節目の年。猛威を奮った新型コロナが5類感染症に移行し、県議会では多様性尊重条例が成立した。9月の台風13号による大雨は各地に19年以来の大きな被害をもたらし、経済では記録的な円安とそれに伴う物価高が県民を苦しめた。激動の1年を、記者の取材メモを通して振り返る。
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▼政治ニュース 県政担当の記者から
回顧2023 地域ニュース
新薬投与も不安と苦悩
市川のALS患者・青木さん 承認されず、悲痛な声
2023.12.13
「現状では来年2月以降、新薬投与の見通しが立たない。そうなると、投与を諦めざるを得ない」。今月5日、青木渉さん(35)の悲痛なつぶやきを市川市内の自宅で聞き、どう言葉をかけたらいいか分からなかった。全身の筋肉が徐々に─。
待望の祭り取材
コロナ禍経た夷隅地域 喜び半面、気がかりも
2023.12.15
夷隅地域の担当になって3年目の今年、ようやく祭りの取材ができた。コロナ禍による中断を経て本格的に再開。喜び勇んで祭り会場へ向かい、記事に「4年ぶり開催」の文字が躍った─。
足運ぶ大切さ再認識
成田空港C滑走路予定地取材 変わる地域の記録残す人々
2023.12.16
中島さんは「いつかカメラを向けて、変わりゆく故郷に抱く思いを語ってもらうのが目標だ」とも語った。そのためにも滑走路予定地が更地になるまで通い詰めるという。「足しげく通って人々の信頼を得る」。取材する者として大事なことを再認識する機会にもなった─。
対策途上でまたも被害
茂原市の大雨浸水 外水・内水巡り“応酬”も
2023.12.18
たたきつける雨にひるみながら、何とかカメラのシャッターを切った。足元は数十センチは水に漬かっていただろうか。水かさが増す道路の前で立ち往生する車もあった─。
常軌逸す行為「黙認無理」
柏市議会ハラスメント防止条例 抑止効果か、相談ゼロ
2023.12.20
「職員への叱責(しっせき)が延々続き、部署全体が業務不能の状態が30分間は続いた」「意に沿わないと電話で叱責が30分間ぐらい続いた」-。(中略)「市議会ハラスメント防止条例」の取材を進める中で、職員から聞いた生々しい実例だ─。
鉄路復旧も維持議論続く
台風被災の小湊鉄道 「観光資源」「移動手段には…」
2023.12.21
駅前の紅葉が鮮やかに色づく季節に、列車が養老渓谷駅に戻ってきた。11月23日、小湊鉄道の光景だ。9月の台風13号の大雨で被災し、同駅を含めて不通となっていた月崎-上総中野の運転が再開した。休日のみ上総中野まで運行する仮復旧だったが、再開初日のトロッコ列車からは多くの観光客が下車。駅前のにぎわいが復活し、観光地のあるべき姿になったと感じた─。
ブームを地域活性化に
香取「栗源のふるさといも祭」 流通・生産体制を強化
2023.12.23
駅前の紅葉が鮮やかに色づく季節に、列車が養老渓谷駅に戻ってきた。11月23日、小湊鉄道の光景だ。9月の台風13号の大雨で被災し、同駅を含めて不通となっていた月崎-上総中野の運転が再開した。休日のみ上総中野まで運行する仮復旧だったが、再開初日のトロッコ列車からは多くの観光客が下車。駅前のにぎわいが復活し、観光地のあるべき姿になったと感じた─。
防災機能強化、にぎわいも
千葉市役所新庁舎が開庁 今後の跡地利用に注目
2023.12.25
県都・千葉市の行政の中心となる市役所新庁舎が完成し、今年6月に全面開庁した。新たな庁舎は、災害時も地域の拠点となるよう災害に強い構造に。市民が集えるイベントスペースもでき、旧庁舎にはなかった明るさやにぎわいも見られた─。
地元一体で成長に感慨
オルカ鴨川、10年目の悲願V 妥協せず「獲る」チームに
2023.12.27
地域と共に一歩ずつ成長してきた女子サッカーチームが、悲願のタイトルをつかんだ。プレナスなでしこリーグ1部のオルカ鴨川FC(鴨川市)が10月、クラブ創立10年目の節目に初優勝。9月の台風13号で甚大な被害を受けた地域に、明るい話題を振りまいた─。
使い勝手の良さ魅力
富津市立図書館が開館 日常へ溶け込むスタイルに
2023.12.28
富津市は、全国でも数少ない「図書館のない市」だった。構想はあったものの、財政難から建設は先送りになっていた。そんな中、イオン側が店3階の空きスペースを市立図書館として─。
同時並行で開発進む
船橋「ららテラス」など メディカルタウンも注視
2023.12.30
オープンから約2週間後の夕方、ららテラスはスーパーマーケットを中心に、学校や幼稚園帰りの子ども連れが多く訪れていた。ららぽーととは少し違う客層。施設の規模や注目度で及ばずとも、気軽に日用品を求める近隣住民の需要に応えている印象を受けた─。
1園継続も定員割れ
佐倉市立幼稚園の閉園問題 存廃議論再燃なら丁寧に
2023.12.31
2023年の佐倉市は、市立幼稚園閉園問題で大きく揺れた。当初、市が方針決定した「市立幼稚園全3園の本年度末閉園」は保護者らが猛反発し、市議会内からも異論が噴出─。
回顧2023 社会ニュース
幼い命相次ぎ犠牲に
交通事故 思いやり、運転者の責務
2023.12.27
県警によると、県内では25日時点で昨年同期を267件上回る1万3140件の交通事故が起きている。死者数は6人増の124人(24日時点)で、都道府県別にみると全国ワースト5になっている─。
安易に加担、法廷で涙
闇バイト強盗 甘い誘惑、若者へ啓発を
2023.12.28
「手厚いサポートで安全に働いてもらえます」。X(旧ツイッター)で「闇バイト」を募る投稿内容の一部だ。1月に起きた東京都狛江市の強盗致死事件を機に明るみとなった一連の広域強盗を巡り、SNSで強盗の─。
相次ぐ愚行、募る不信
地方議員3人逮捕 初心に戻り政治活動を
2023.12.29
今年は県内で地方議員による不祥事が相次ぎ発覚した。長生村の男性議長(77)が役場の女性職員に暴行し逮捕され、横芝光町議選では、有権者にプリペイドカードを配り投票依頼した男性町議(75)が、公選法違反罪で有罪となった─。
回顧2023 経済ニュース
“地銀の雄”信頼回復へ
千葉銀「仕組み債」で改善命令 全社挙げ再発防止進める
2023.12.29
ところが、6月に高リスク商品「仕組み債」を巡る問題が表面化。国から業務改善命令を受け、佐久間英利会長の引責辞任と経営陣の減給処分に発展した─。
コスト上昇苦しむ企業
物価高騰で5類効果に冷や水 賃上げ機運の継続が鍵
2023.12.30
新型コロナウイルスの5類移行を受け社会経済活動が正常化することへの期待が高まっていたが、その効果に冷や水を浴びせたのが、止まらぬ物価高だった─。
回顧2023 政治ニュース
自民、総力戦で逆転
衆院千葉5区補選 公募の英利氏、初当選
2023.12.27
与野党7人が乱立した衆院千葉5区補欠選挙は4月23日に投開票され、自民党の英利アルフィヤ氏が当選した。同区から選出されていた薗浦健太郎氏(自民離党)が「政治とカネ」の問題で─。
汚職疑惑、説明なく
秋本衆院議員逮捕 千葉9区は混戦模様
2023.12.29
脱原発を掲げ、洋上風力発電を推進してきた秋本真利衆院議員(48)=比例南関東、自民党離党=が9月、国会質問の見返りなどで日本風力開発側から賄賂を受け取ったとして、東京地検特捜部に逮捕、受託収賄罪などで起訴された─。
戻りつつある日常
新型コロナ5類移行 インフル異例の流行
2023.12.30
猛威をふるった新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行したのも大きな節目の一つ。県内でも社会・経済活動が活性化し、かつての日常を感じられるようになってきた─。
自民、足並みそろわず
多様性尊重推進条例成立 知事「重要な節目に」
2023.12.31
熊谷知事は「誰もが生活しやすい千葉県づくりに向けて重要な節目となった」と評価した。条例を巡っては、県議会で単独過半数を占める最大会派の自民党の対応が焦点に─。