増成栗人選 【日報俳壇】

梅が香の闇息づいてをりにけり 君津 泉水勝
 【評】おそらく夜の白梅であろう。闇の中に浮かぶ梅の白。それを取り囲む闇の深さ。少し離れて見る作者に、その梅の香が届く。夜も己がいのちの主張を続ける梅の息遣いが、そのまま作者の息遣いと重なるように届いてくる。

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【残り 1170文字】



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