中谷順子選 【日報詩壇】

 特急はつかり 千葉 千嶋敬昭
    
吹きっさらしのホーム
上りホームの鉄柵からは
青々とした田圃が遥か先迄
田圃向うに工場の煙突も

ゴォーという地鳴りが
足元から這い上がってくる
青空を突き破ってくる塊
マグマ噴出の蒸気機関車
憤怒の形相でこちらに驀進
近づいた巨体と轟音は
情け容赦なく襲い掛かる
【残り 1496文字】



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