風雨観測1分刻み 新型センサーで災害低減 ウェザーニューズなど開発

ウェザーニューズとオムロンが共同開発した「ソラテナ Pro」=5日、東京都港区
ウェザーニューズとオムロンが共同開発した「ソラテナ Pro」=5日、東京都港区

 気候変動による災害リスクの低減へ、民間気象会社「ウェザーニューズ」(千葉市美浜区)と電機メーカー「オムロン」(京都府)は5日、共同開発した新型の気象IoTセンサー「ソラテナ Pro」を公表した。雨や風など7要素を1分刻みで観測し、お天気アプリ「ウェザーニュース」を通じてデータを共有。観測値が事前に設定した数値を超えた際にプッシュ通知する機能もあり、風雨災害への備えなどさまざまな用途に活用できるとしている。同日から企業向けに販売を始めた。

 同センサーは直径12・5センチ、長さ26・7センチの小型で、重さは約1キロ。昨年3月から開発を始め、ウェザーニューズの天気予報、オムロンのセンサー技術という両社の強みを生かして、短期間での商品化に成功した。

 両社によると、上部から雨量、照度、風速、風向き、気圧、温度、湿度の7要素を1分ごとに観測する高性能のセンサーを配置。最大で1時間当たり50ミリの大雨、秒速50メートルの強風にも対応できるのが特長で、日本の気象状況をほぼカバーできる。

 観測データは同アプリと連携。企業アカウントでログインするとそのまま利用できる。スマホへのプッシュ通知も機能の一つで、設定した雨量や風速を超えた場合には通知が入り、災害リスクの察知や早期の対策に役立つという。

 両社は5日に東京都内で記者会見を開き、想定している利用方法などを説明。農業分野では強風で作物に被害が生じていないか確認する目安となるとした。通知のタイトルに「作業を中止して」などと推奨される行動を入力しておくことも可能。ドローン運行やイベント開催の可否判断、工事や工場の現場での熱中症対策などへの活用も期待している。

 販売方法は購入とレンタルの2通りで、価格は別途問い合わせとしている。

 会見でウェザーニューズの上山亮佑グループリーダーは「7要素を総合的に観測できるセンサーは業界初ではないか」と説明。「両社の強みを生かした製品で災害を減らし、社会に貢献していきたい」と述べた。


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