
新車・中古車販売やカー用品販売などを展開する自動車関連サービス会社「オートウェーブ」(千葉市稲毛区)は、整備工場(ピット)内の作業を確認できるライブカメラと店内モニターを設置するサービスを始めた。中古車販売大手「ビッグモーター」(東京)による保険金不正請求問題を受け、顧客からの要望もあり整備の透明性確保を目指した。9月中旬から宮野木、浜野、柏店で実施しており、今月末までに全7店舗に導入する予定。
同問題では、整備担当者がゴルフボールを使って故意に車体を傷付けるなどの不適切行為が判明。オートウェーブ担当者によると、顧客から同社に「整備作業を見たい」「交換した部品を見せてほしい」「他社で車検をしたが不安なので点検して」といった声が計数十件寄せられたという。
本来、技術を提供する自動車整備の詳しい内容は“企業秘密”の上、安全確保のためピットに顧客を直接立ち入らせることは難しい。また、同社に在籍する自動車整備士52人の一部から作業を常時見られることに反発もあった。
しかし、同社は「これからの時代は透明性、公平性を確保していく必要がある」として、ピット内の様子をリアルタイムで配信するサービスの導入を決定。カメラを設置して、店内の待合室のモニターで顧客が確認できるようにした。1店舗につき数十万円の費用がかかったという。
顧客からの反応は好意的なものが多く、宮野木店営業担当の湊原学さん(54)は「作業の内容や所要時間が分かる、安心して見ていられるといった声をもらっている」と話す。
映像に限らず、全スタッフの顔写真と名前も店内に掲示。同社は「自動車は高額な個人所有物だからこそ、顔の見える関係性が大事」としている。