2014年2月26日 17:38 | 無料公開
バイオ系ベンチャー企業のナノキャリア(柏市)は6月、本社・研究所を東大柏ベンチャープラザからつくばエクスプレス(TX)柏の葉キャンパス駅近隣に移転する。
新本社・研究所は3階建てで、延べ床面積1200平方メートル。研究施設を拡張して研究・開発体制を強化するほか、スタッフの増員を目指すことから、インキュベーション施設からの移転を決めた。
同社は抗がん剤をがん細胞に集中的に送り届け、腫瘍(しゅよう)組織に集積させることにより、従来の抗がん剤が持つ副作用を軽減した上、効果を高める「薬物送達システム」の研究・開発に取り組む企業。現在進めている最終的な臨床試験が2014年中に終了する見通しにあり、その後、早い段階での実用化を目指す。
同社は1996年に東京都で設立後、県が運営するインキュベーション施設の東葛テクノプラザ(柏市)を経て、2004年から東大柏ベンチャープラザに入居。以来、近接する東大柏キャンパスや国立がん研究センターなどと連携し、研究開発を推進。08年3月には東証マザーズに上場した。
同プラザを運営する中小企業基盤整備機構は「プラザ開設時からの入居企業で、プラザとともに成長してきた。国内のバイオテクノロジー分野で中心的な役割を担う企業として飛躍してほしい」と期待した。