水害乗り越え150年 大手門の部材使い建築 「伊勢幸」(大多喜町)【房総老舗巡り 千葉県誕生150周年】(4)

大多喜城の大手門の部材を使い150年前に建てられた「伊勢幸」=大多喜町の城下町通り
大多喜城の大手門の部材を使い150年前に建てられた「伊勢幸」=大多喜町の城下町通り
1913年の城下町通り。左手前ののれんが下げられた建物が「伊勢幸」。通りと比べて一段低いことが分かる(大多喜町史から)
1913年の城下町通り。左手前ののれんが下げられた建物が「伊勢幸」。通りと比べて一段低いことが分かる(大多喜町史から)

 徳川四天王の一人、本多忠勝が家康に命じられて大多喜城主になったのは1590年。城下町の整備が始まった。いまの大多喜町城下町通りは江戸時代とほとんど変わらない形状、道幅だという。

 古い建物が残る城下町通りの一角にあるのが、5年前まで酒店だった「伊勢幸(いせこう)」。廃藩置県に伴い解体された大多喜城大手門の部材を利用して1873(明治6)年に建てられたとされ、千葉県誕生と同じく今年で150年になる。2階正面が格子戸の建物は城下における商家の表構えをよく残しているとして、2009年に国登録有形文化財となった。

 夷隅川と支流の久保川が近くを流れ ・・・

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