2023年5月9日 05:00 | 有料記事

純和風な外装を意識した「行徳神輿ミュージアム」=市川市

「中台製作所」の礎を築いた中台新太郎さん(右)と実さん=1960年代
かつて全国の神輿(みこし)を制作したことから「神輿のまち」と呼ばれた市川市の行徳地区で、中台製作所は唯一残る神輿作りの店だ。祭りの多さで知られる行徳の顔的な存在で、手がけた神輿は県伝統的工芸品に指定される。「先人から引き継いだ伝統文化を時代とともに進化させ、次の世代に引き継ぐのが自分の役割」と中台洋社長(51)は語る。
ヒノキなどを材料に本体を作る木地師、金具や鋳物を手がける飾師や彫金師、彫刻を施す木彫り師、漆を塗る塗師らが協力して全工程を自社で一貫生産。年間約30基の神輿を手がける。大半は新品のように再生させる修理だが、新規は小さいもので数百万円、本格的な神輿は1千万円以上の値が付く。
行徳地区は江戸期に製塩で繁栄。「行徳千軒、寺百軒」と言われるほ ・・・
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