花火大会「断念」相次ぐ 5類移行で復活期待も 物価高騰、資金集め苦慮

過去の手賀沼花火大会の様子。クラウドファンディングで想定を超す寄付が集まり、今年4年ぶりに復活する
過去の手賀沼花火大会の様子。クラウドファンディングで想定を超す寄付が集まり、今年4年ぶりに復活する

 新型コロナウイルスの5類移行から初めての夏を迎え、各地で花火大会の復活が期待される中、中止を余儀なくされる大会も少なくない。その背景にあるのは、物価高騰に伴う資金集めの難航。各地の主催者からは「苦しんでいる事業者に寄付のお願いはできない」と、切実な声が漏れる。一方で、クラウドファンディングを活用するなどの寄付金集めの工夫で、復活にこぎ着けた花火大会もある。

 2019年を最後に中止となっていた御宿町の「おんじゅく花火大会」。1500発を打ち上げる夏の風物詩で、今年は復活を望む声が上がっていたが、結局中止になった。

 「昨年から何とか花火をやれればとの声もあったが…」と肩を落とすのは御宿町観光協会の吉清文夫代表理事。「地域経済が冷え切っていて、価格高騰で事業者が宿泊や飲食を料金を値上げせざるを得ないこともあって、協賛や寄付のお願いはできない」と苦しい事情を明かす。

 実は中止となる前から人出は減少し、宿泊客も少なくなっていたという同大会。「花火ではない誘客方法を考える時期に来ている。年内に来年以降どうしていくのかを決めたい」と吉清代表理事は話す。

 8月12日にいすみ市で開 ・・・

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