道の駅「保田小学校」に新施設14日オープン 廃園利用の休憩所「附属ようちえん」 バス待合所や子供を見守りながら働けるカフェ 鋸南町

特徴的な円環状の屋根付き歩道「わっか」を中心に、遊具やバス待合所などを設けた「道の駅保田小附属ようちえん」=鋸南町
特徴的な円環状の屋根付き歩道「わっか」を中心に、遊具やバス待合所などを設けた「道の駅保田小附属ようちえん」=鋸南町
子供を遊ばせながら併設するカフェで仕事ができる「プレイカフェ」=鋸南町
子供を遊ばせながら併設するカフェで仕事ができる「プレイカフェ」=鋸南町

 道の駅保田小学校に隣接する旧鋸南幼稚園を改修した新施設「道の駅保田小附属ようちえん」が14日、オープンする。「幼稚園」とは呼ぶものの、園児が通う一般的な教育施設ではなく、道の駅としての機能をより充実させた休憩施設を町が整備。バス待合所や子供を見守りながら働けるカフェなどを新たに設け、観光客だけでなく町内で暮らす子育て世代にも活用してもらえる施設を目指す。

 新施設は敷地面積約9427平方メートル。屋外には隣接する「保田小学校」から雨にぬれずに移動できる円環状の屋根付き歩道「わっか」を中心に、駐車場やドッグラン、遊具などを設けた。バス待合所には12月から町営循環バスが乗り入れる予定で、今後は高速バスの乗り入れも視野に事業者と調整を進めていく。

 幼稚園の遊戯室だったスペースには、地元の母親らが子供の遊ぶ姿を見守りつつ、併設のカフェで働くことができる「プレイカフェ」を整備。元々教室だった場所には、鋸山周辺の風景を表現したカレーなどを提供する「なのはなぐみ かつ菜保田店」や、海鮮丼や黄金アジフライが楽しめる「保田食堂」、真っ黒な肉まん「鋸南ブラック」が味わえる「front village diner」など、バラエティー豊かな飲食店が集まった。

 「保田小学校」は2015年にオープン。廃校を活用した道の駅として県内でも有数の人気を誇り、昨年の入り込み客数は約78万人に上る。ただ、休日の慢性的な駐車場不足や子どもが遊べる場所が少ない点など課題を抱えていた。

 町は同駅の機能強化や利用客の多様なニーズに対応するべく、18年度から整備事業に着手。町内でワークショップを複数回開くなど町民の意見も取り入れながら設計を進め、昨年7月から整備工事に取りかかっていた。総事業費は約9億4192万円。

 指定管理者の「共立ソリューションズ」(東京)が、「保田小学校」と一体的に管理運営を担う。同社の大塚克也さんは「廃校と廃園が合わさったコンバージョン施設は全国にはないと思う。鋸南町の人口が減っている中、関係人口を増やしつつ、移住定住に結びつくようなコンテンツを付け加えながら、保田小と合わせて盛り上げていけたら」と話した。


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