幕末の剣豪が縁で交流 歴史生かした活性化模索 富津市と福島・西郷村

 幕末の剣豪・森要蔵にゆかりがあることをきっかけに、富津市と福島県西郷村の商工会が交流を始めている。昨年は、富津市商工会のメンバーが同村を訪れて今後の連携を話し合った。両商工会は、歴史で結ばれた縁を生かした地域活性化を模索している。

 森は北辰一刀流の千葉周作に師事し、千葉道場の四天王と称され、現在の富津市にあった飯野藩の剣術指南役を務めた。1868年に起きた戊辰戦争で会津藩に加勢したが58歳で戦死し、墓は西郷村に残されている。

 歴史に関心を持つ同村商工会の大高紀元会長が森について調べたことなどを契機に、交流の構想が持ち上がり、福島県出身で富津市在住の地域活性化アドバイザー・関田善弘さんが橋渡し役となった。

 富津市と西郷村は約200キロ離れており、まずは互いのことを知ろうと、11月24、25日には、富津市商工会の役員ら17人が同村を訪問。地元の産業や観光などを紹介し合い、森の墓所に記念植樹した。

 今後は同村商工会が同市を訪問する考えもあり、同市商工会は互いの商工祭で特産品をPRしたり、歴史上のつながりを生かした企画を展開できないかなど構想を練っている。

 同市商工会の藤野一夫会長(71)は「歴史が取り持つ縁を生かし、互いの経済交流が発展すれば」と話している。


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