潮干狩り場 再開に活気 家族連れら「待ってた」「楽しい」 貨物船衝突で重油流出 富津海岸

 神奈川県三浦市沖で貨物船同士が衝突し、千葉県南地域の海岸に重油が漂着した問題で、3月30日から休業していた富津市の富津海岸潮干狩り場が12日、営業を再開した。潮回りの影響で2時間半の短い開場時間となったにもかかわらず、約500人が訪れ、閑散としていた海岸ににぎわいが戻った。

 運営する富津漁業によると、休業中は油に関する問い合わせが相次ぎ、小中学校など団体客のキャンセルも。関係者は再開初日にどれだけ来場するか気をもんでいたが、「たくさん来てくれてほっとした」と安堵(あんど)した。

 さいたま市から訪れた会社員の池田宏一さん(42)は「再開を待っていた。近くに公園もあり富津の潮干狩りに来たかった」と話し、初体験の長女の真優ちゃん(6)は「楽しい」と笑顔を見せた。

 家族5人で来た同市の会社員、室井雅彦さん(47)は「ここに来たのは初めて。油は気にしていない」と満足げ。息子の勇史朗君(2)も「採れたよー」と大はしゃぎだった。

 同漁協では、沖合約500メートルに長さ約2キロにわたってオイルフェンスを設置。今後も油の監視を続けるといい、森田義幸副組合長(53)は「やっと普通の土日の光景に戻った。潮干狩り場では1度も油の漂着を確認していない。安心して来てもらいたい」と呼び掛けた。


  • Xでポストする
  • LINEで送る