19年豪雨で送迎保護者死亡 生きた教訓、早めの判断 前日に登園自粛要請 「安全最優先、命を守る」 長柄のこども園

大雨で冠水したながらこども園前の県道=8日午後1時50分ごろ、長柄町鴇谷
大雨で冠水したながらこども園前の県道=8日午後1時50分ごろ、長柄町鴇谷
大雨前日に保護者らに配信したメールで、ながらこども園は家庭保育への協力を求めた
大雨前日に保護者らに配信したメールで、ながらこども園は家庭保育への協力を求めた

 台風13号の大雨で氾濫した一宮川の上流域に位置する長柄町。2019年10月の房総豪雨で2人が死亡し、このうち1人は認定こども園「ながらこども園」に子どもを迎えに行く途中の保護者が犠牲になった。4年前の教訓を生かし、こども園は大雨前日に登園自粛を保護者に要請し、施設周辺が水に漬かった8日は安全が確認されるまでは預かった子どもの引き渡しに応じなかった。川嶋静雄園長(65)は「4年前の経験を生かして園児の安全を最優先にし、早めの対応を取ることができた」と話している。

 房総豪雨の際には近くを流れる一宮川などから水が押し寄せ、園舎1階が浸水。園に残っていた約90人の子どもは無事だったが、絵本やぬいぐるみ、調理場などが泥にまみれた。迎えに来られない保護者がいて、園舎で一夜を過ごした子どももいた。

 こども園前の県道は一宮川に沿うようにして走り、県道周辺では甚大な被害が出た。園に預けた子どもを迎えに行く途中だった男性が車ごと濁流に巻き込まれ死亡しており、園は災害時の対応を強化してきた。

◆台風、千葉上陸を懸念

 今回の大雨前日の7日午後1時50 ・・・

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