


流山市と埼玉県三郷市を結び江戸川に架かる「三郷流山橋有料道路」が26日、開通した。片側1車線の全長2キロで、1993年に両市の建設促進協議会が発足してから30年目の開通。事業を担った千葉、埼玉の両県は、約4キロ南にある流山橋(通行無料の一般道)の慢性的渋滞の緩和や、両県住民の交流促進に期待している。
両県間の江戸川をまたぐ新橋開通は1985年の常磐自動車道以来。総建設費は約217億円で、このうち、橋本体への流山市側の取り付け道路830メートル分の建設費を中心とした76億円が千葉県側の支出となる。
通行料収入が返済原資や担保になる有料道路事業化を図って、総建設費のうち84億円を埼玉県道路公社が借り入れによって賄うシステムを2018年度に導入したことで、同規模の工事としては早めの完成となったという。
通行料は普通車150円、自転車やミニバイクは20円、歩道もあり、歩行者は無料。車両通行は30年後の無料化を想定している。
料金所を置く三郷市側の小学校で同日行われた開通式典で熊谷俊人知事は「開通を機に両県の交流がさらに深まることを期待する」などとあいさつ。埼玉県の大野元裕知事も出席した。
続いて料金所前で、両知事らがテープカットをして開通を祝福。流山市立南部中学校吹奏楽部による演奏に送られ、車に乗り込んで“渡り初め”を行った。
千葉県は1日の交通量を約1万2700台と予想。ともに商業施設などが集積するつくばエクスプレスの流山おおたかの森駅(流山市)周辺とJR武蔵野線の新三郷駅(三郷市)周辺間の移動時間が約10分間短縮して20分になると見込む。
開通行事を料金所近くで見守った流山市の男性会社員(47)は「流山橋はいつも混んでいて使う気にならなかった。今後は新三郷駅前のららぽーと新三郷などにも行ってみたい」と歓迎。開通行事で演奏した南部中2年の石橋葵さん(14)は「新しい橋が新しい出会いにつながり、新しい文化が生まれるといい」と願った。