2014年4月9日 12:11 | 無料公開
千葉県内で増加している高齢者の事故を防ごうと、春の全国交通安全運動期間中の8日、四街道市吉岡の京成バス千葉営業所で、同社や千葉東署などが連携して高齢者対象の安全教室を行った。同署管内の千葉市若葉区に住む37人が参加。実際にバスの運転席に座ったり、車内での転倒事故の映像を見るなどして安全意識を高めた。
同区によると、区民のうち65歳以上の住民は3月末現在で27・5%で県内全域に比べ約5%高い。また、移動の際にバスを利用する高齢者も多いという。安全教室では高齢者が運転席に座ってドライバーの視点を確認したり、急ブレーキ時にかかる負荷を体感。さらに、乗降や発車時にバランスを崩し車内で転倒したお年寄りの録画映像なども紹介された。
参加した宮川康さん(75)は「体は自分で思っているよりも衰えているということに気づかされた」と感想、若葉区老人クラブ連合会長の藤森清彦さん(77)は「バスの乗降時に起こりうる危険を身をもって体験するいい機会になった」と話した。
京成バス千葉営業所の石川健一所長は「バスの近くを通る時は運転手と目線を合わせるなどして、事故防止につなげてほしい。乗り降りの際も焦らないで」と呼び掛けた。
県警交通総務課によると、県内の交通事故死者数は7日現在47人で、このうち29人が高齢者。15日まで行われる全国交通安全運動は、高齢者や子どもの事故防止などを重点目標に掲げている。