軍事協力で制裁違反 監視組織が初報告書

ロシア人教官から銃器の訓練を受ける北朝鮮兵ら=4月28日(タス=共同)

 【ソウル共同】日米韓主導で北朝鮮に対する国連制裁の履行状況を監視する「多国間制裁監視チーム(MSMT)」は29日、初の報告書を公表した。ロシアと北朝鮮の軍事協力に焦点を当て、両国が制裁に違反し、相互に武器供与しているほか、北朝鮮が兵士をロシアに派遣しウクライナ侵攻を支援していると指摘。国際社会に監視強化や情報共有を呼びかけた。

 北朝鮮との結び付きを深めるロシアは国連制裁違反を公然と続けている。北朝鮮もMSMTの活動に反発している。

 MSMTは、国連安全保障理事会の専門家パネルに代わり昨年10月に発足した。日米韓、フランスや英国、ドイツなど計11カ国が参加する。

 報告書によると、2023年9月以降、北朝鮮はロシアに砲弾などが入った2万以上のコンテナを供給。24年には少なくとも100発の弾道ミサイルのほか、対戦車ミサイルを供与した。

 弾道ミサイルには外国製部品が使われ、北朝鮮が制裁を回避し第三国の業者を介して調達していると指摘。ロシアが弾道ミサイルの性能データを提供し、開発を支援していると分析した。


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