2014年5月20日 11:46 | 無料公開
千葉ジェッツの13~14年シーズンのもう一人のMVPは「ゲームリーダー」のガード・宮永雄太選手(32)。ジェッツ選手12人の中で唯一、全54試合で先発出場を果たした。
1試合当たりの出場時間も、チーム最多レベルの31・1分。名将、レジー・ゲーリーヘッドコーチ(HC)の信頼の厚さを物語る数字だ。
▽崩壊阻止した得点力
試合中にほとんど表情を変えず、熱い走りとドリブルでチームを引っ張る司令塔。ただ、開幕4連勝後に陥った“長いトンネル”の20連敗中、時折見せた引きつった表情に、苦しい胸の内をのぞかせた。
その連敗中、アウトサイドでボールをスムーズに回すことができず、24秒の攻撃時間ギリギリに宮永選手が苦し紛れに3点シュートを打つ場面が多々あった。
今季の個人成績は、54試合で3点シュートを121本投じて39本成功。このうち、20連敗中におよそ半数となる59本(18本成功)を投じた。
3割超の成功率で何とか得点源となり、チームが最も苦しんだ時期に攻撃陣の崩壊を食い止めた。得点力もあるが、「自ら点を取るより、周りの選手にアシストする方がいい」(宮永選手)と打ち明ける。
▽明るいビジョン
シーズン後半は、ゲーリーHCの戦術が浸透し、新加入選手ら若手も台頭。上江田勇樹、石井講祐両選手の3点シュートはジェッツの武器となり、インサイドの選手を助けた。
内外の連係が良くなると、ボールも思うように支配。無理して3点シュートを打つ場面はなくなった。
他チームに在籍した時期に、試合に出られない悔しい思いを味わった。「チャンスを与えてくれるHCに感謝、リスペクト(尊敬)し、来季は優勝を目指す」。苦しい時期を乗り越えた司令塔は、明るいビジョンを示す。