【千葉魂】「青空ミーティング」意識共有 リーグVへ 泥臭く諦めない 千葉ロッテ

吉井監督は「勝つことへの気持ち」を選手に求めている
吉井監督は「勝つことへの気持ち」を選手に求めている

 メディアはその出来事を「青空ミーティング」と報じた。8月20日のイーグルス戦(楽天モバイルパーク)の練習前。選手たちが右翼付近の芝生に座って円になった。円の中心には吉井理人監督がいた。時間にして7分程度。まず指揮官が話し、選手たちも話をした。

 「いや、別に場所にはこだわりはなかった。中は少し暑かったし、冷房機などの音もあって聞きにくいかなと思っただけ」

 意図して空の下を選んだわけではないと吉井監督は言った。前日19日の敗戦後のコーチミーティングが終わってから選手たちを集めることを決めた。

 「試合が終わって、ちょっとアカンなあと思った。勝つことへの気持ち。勝ちにつながるプレー。例えば打者ならヒットやホームランがベストではあるけど、ファウルをたくさん打って、相手投手に球数を投げさせるということもそう。勝つために自分に何が出来るか。そこに意識があるのかという部分」と吉井監督。

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 勝ちに対しての意識を改めて共有したかった。だから「目標」と「目的」に分けて話をした。目標はゴール。目的はそこにたどり着くために何をするか。マリーンズにとっての目標は優勝。そのためにそれぞれが目的を持って行動をする。

 「あんまり人生で明確に目標と目的を考えることはない。日々、ボケッと過ごしがち。しかし、ここをしっかりと決めて伝えておけば、次の行動が見えてくる」と吉井監督。そして「野球選手として当然、優勝が目標。今年はここまでみんなで頑張ってきてこの順位にいてチャンスがある。せっかくのチャンスなのだからトライしないと。人間はどうしてもうまくいかないことを考えてしまって、トライするのを躊躇(ちゅうちょ)してしまうことがある。それはアスリートとして一番、カッコ悪い事。ミスを恐れずにどんどんトライしていきましょう」。指揮官の熱弁を選手たちも聞き入った。

 一通り、話し終えると柿沼友哉捕手と目があった。だから、一言を求めると「勝つために泥臭くいくべき。今は泥臭さが必要な時期だと思います」と口にした。続いてルイス・ペルドモ投手が自ら手を挙げた。敗れた前日の試合で1点リードの八回に登板したが逆転を許し敗戦投手になっていた。「チームが一つになることが大事だ。誰もミスをしたくてミスをしない。ミスをしたら、みんなでカバーをする。一つになってやっていきたい」。助っ人が率先して意見を言ってくれたことがうれしかった。

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 8月20日、マリーンズは逆転勝利をしてカード勝ち越しを決めると、仙台から千葉に戻って行われた22日のホークス戦も勝利。このカードも勝ち越した。8月は苦戦をしているが、7月までは勝利へ、全員で執念深い野球を続け、勝ちを重ねてきた。その姿に舞い戻ったようだった。8月26日、首位バファローズに優勝マジックが点灯した。その背中は遠い。しかし、リーグ優勝を目標に掲げるシーズン。最後の最後まで諦めてはいけない。何が起こるか分からない。チーム一丸、泥臭く点をとり、守り、諦めずに勝っていく。その先にだけ見たことがない光景が広がっている。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)



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