中谷順子選 【日報詩壇】

 漂流
    船橋 鈴木 久吉
ただ ただ 漂っている
脚にからみつく水草
腕にへばりつく芥
流されるまま ゆったりと
川面を漂っている
踵で蹴っても
掌で掻いても
力をのみこんでしまう水に
自尊心を砕かれ
失意の内に漂っている
腐ったりんごが ぷかぷか
つ ・・・

【残り 1323文字】



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