中谷順子選 【日報詩壇】

私の筆 習志野 松村範子

赤子より頭一つ長い筒箱を
両手で抱っこ 足元に注意
しながら歩くこの猛暑の街
買ってしまった
特大の超貴重な筆
穂の太さ手首ほど 長さは
手の平はみ出し 銀色光の
重みでしなやかに跳ねる
大きい作品を書きたい
でも使いこなせるのか
どんな線が出せるのか
この先何回書けるだろう< ・・・

【残り 1474文字】



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