水見壽男選 【日報俳壇】

走る子の速さに応へ風車 酒々井 榎利美
 【評】まことに純朴な十七音の叙事詩。そして抒情の香りが仄と。読み下して画用紙に走る子の姿が、くっきりと浮かんで来て、風車がまるで生き物のように、紡ぎ出される。一句の中に風と走る子の問答が見えて来て、俳句の底力を演出して呉れる。古く ・・・

【残り 1215文字】



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