中谷順子選 【日報詩壇】

 砂時計
   八千代 江野澤陽子
机に向き合った椅子から
出窓の向こうを眺める
くもり空を横切る電線
聞こえるバイク音
空調の音が風に混ざり、
さらに冷たい 時々
部屋がきしむ音がするが、
家人はいない
なぜかほっとする

わたしの中に
砂がたまり始めたのは
いつからだったろう
【残り 1401文字】



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