「命の移しかえ」 『おむすびの祈り』

  暮れに風邪を引いた。熱は無かったけれど、咳が出て体がだるかった。休むわけに行かない仕事があったので、薬を飲んで二日間しっかり寝た。空腹を覚え、「梅干のおむすびが食べたい」と起きあがった。思い浮かべたのは、青森の佐藤初女さんが作るおむすびだった。ただのおむすびではなく、祈りを込めて握るおむす ・・・

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