
そごう千葉店(千葉市中央区)で、店頭販売とネット通販(EC)を兼ねた「OMOストア」が開業した。県内の食に関連する商品に特化し、隠れた逸品やこだわりの詰まった名品を扱う。販売員の手配やEC発送などの作業はそごう側が提供。実店舗への出店経験が少ない小規模な生産者も手軽に出品できる。
地下1階に開設した「フード エディット チバ」は約45平方メートルの売り場に、地場産業約30社の約170品が並ぶ。商品は40センチ四方の小さなスペースに置かれており、プライスカードのQRコードを読み取ると、ECサイトで生産者のこだわりや商品の詳細がチェックできる。商品は店頭(支払いはクレジットかコード決済のみ)とECサイトのどちらでも購入できる。
OMOは「オンラインとオフラインの融合」を意味し、同ストアはそごう・西武グループ全体で西武渋谷店に続いて2カ所目。生産者側にとって、自身での在庫管理などが必要な従来のテナントとは異なり、販売員の手配のほか、在庫や売り上げの管理などの付帯業務をそごう側が実施するため、商品の登録と納品のみで出店できるメリットがある。そごう側も店頭とネット通販分の在庫を一括管理できECの売り上げ増も期待できることから、同ストアは最も力を入れている事業という。
そごう千葉店で同ストアを担当する森岡勇希係長(36)は「千葉には知られざる食がまだまだある。小さな生産者と消費者を“おいしい”でつなぎ、全国に届けたい」と話した。出店者との契約は3~6カ月単位で、今後は50社まで増やす予定。
菓子製造・販売会社「菓子庵いずみ野」(四街道市)は県産落花生を使ったチョコモナカなどを出品。同社の林明子さん(43)は「千葉のお土産になる商品を作っている。たくさんの人の目に触れる機会が増えれば」と期待した。
君津市の「穴太(あのう)商店」は自社の米粉のパンを披露。同店の戸波昇さん(28)は「百貨店への出品は初めて。このブランドを立ち上げてからまだ2年で認知度が低いので、そごうでチャレンジしたい」と語った。