「将門愛」あふれる里 大野城(市川市) 【一度は訪れたい 郷土の古城】(7)

かつて大野城が築かれた、第五中学校舎のある台地。地元では「城山」と呼ばれ親しまれる。手前は同校のグラウンド=3日、市川市
かつて大野城が築かれた、第五中学校舎のある台地。地元では「城山」と呼ばれ親しまれる。手前は同校のグラウンド=3日、市川市
第五中学の近くにオープンした「赤毛のアン」カフェ。「ANNE」のオブジェが目印だ=6月、市川市
第五中学の近くにオープンした「赤毛のアン」カフェ。「ANNE」のオブジェが目印だ=6月、市川市

 夏に直売所が並ぶ梨の産地として有名な市川市北東部、JR市川大野駅周辺は、「平将門伝説の里」としても知られる。

 平安中期の10世紀前半、関東一円に勢力を広げ、京都政権に対し「東国の独立」を挑んだ平将門。「将門愛」にあふれたこの地には将門が勧請したとされる神社があり、同市立第五中学校の校舎が建つ台地周辺は「城山」と呼ばれ「将門が出城を築いた」と伝わる。校舎裏には将門を供養する石の祠(ほこら)も。

 将門の寵愛を受けながら敵に内通した「裏切り者」の名が桔梗姫だったことから「桔梗は植えない」とか、将門鎮圧のために行った儀式が開山起源とされる成田山新勝寺には「昔から参拝に行かない」との住民もいるほど。

 同市教育委員会による城山周辺の発掘調査は数回行われており、遺構類や出土品から、中世戦国時代に築かれた大野城跡と推定された。当時この地を支配した武将らが築いたとみられ、江戸期には廃城となったという。

 それでも、はるか前、城山に「将門の出 ・・・

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