2014年5月6日 13:19 | 無料公開
指の先ほどの大きさのクモを台上で戦わせる「クモ合戦」が4日、富津市富津の八坂神社で行われ、市内外から約60人が参加した。前足で威嚇したり、“がっぷり四つ”に組み合ったりする熱戦に観客は歓声を上げた。今年は、同市の多田進一さん(32)のクモが最強の“横綱”になった。
クモ合戦は、生け垣や木に生息する「フンチ」と呼ばれるクモ・ネコハエトリのオスを持ち寄り、台上で2匹を戦わせる遊び。組み合った状態から逃げた方が負けとなる。江戸時代から続くとされ、漁師が漁の合間に楽しんできた。
「富津フンチ愛好会」が毎年5月の連休に、フンチのオスを用意すれば誰でも参加できる大会を開催し、トーナメント戦で横綱を決めている。
台上でクモが組み合うと、行司らが「シテン、シテン」と独特の掛け声で戦いを盛り上げ、勝敗が決すると会場は「よーし勝った」「あーっ」と盛り上がった。
家族3人で参加した君津市の小学1年生、平野太雅君(6)は、父親の正弘さん(49)が捕ってきたクモで連勝し、「すごくうれしい」と笑顔を見せた。
同会の小坂和幸さん(35)は「富津で一番“熱い”イベント。次の世代に伝え、今までの歴史を掘り起こし、無形民俗文化財にしたい」と意気込んでいた。