反骨の操觚者の面目躍如 悪徳官吏らに容赦ない筆誅加える 『宮武外骨』吉野孝雄著 【故郷の本たちへ 河野良恒】(93)

 漢詩人で、教育者の嶺田楓江が房総に移住するきっかけを作った『海外新話』出版禁止のてん末は、宮武外骨(みやたけ・がいこつ)『筆禍史』の記事が最も簡にして要を得ている。同書によれば、楓江はアヘン戦争について中国人が書いた記録を日本語に訳し、画図を加え出版。だが幕府の書物を検閲する「学問所改を受けず内々に」 ・・・

【残り 1357文字、写真 1 枚】



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