館山湾沿岸9割全半壊 駅舎、学校、灯台も… 甚大被害、教訓後世に 【房総の記憶 関東大震災100年】

館山小学校の露天授業の様子(館山市立博物館提供)
館山小学校の露天授業の様子(館山市立博物館提供)
被災者を無料で治療することを知らせる木の看板など、震災に関する貴重な資料が並ぶ企画展=館山市
被災者を無料で治療することを知らせる木の看板など、震災に関する貴重な資料が並ぶ企画展=館山市

 房総半島南部を中心に、県内でも大きな被害が出た関東大震災。特に震源地に近い館山湾沿岸の地区では、9割を超す住宅が全壊や半壊などの被害を受けた。館山市立博物館で開催中の企画展「関東大震災と館山」では、安房地域の詳しい被害状況や、復興への取り組みを写真や資料で紹介。教訓を後世に伝えている。

 1926(大正15)年発行の「安房震災誌」によると、安房郡(館山、南房総、鋸南、鴨川)における死者数は1206人、負傷者は2954人。建物被害は1万3726戸に上り、被害の多くは震源地に近い現在の館山・南房総市域で発生した。

 特に北条町(現在の館山市中心部)や館山町、那古町、船形町など館山湾沿岸の町では、9割以 ・・・

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