首都近海、おいしい旬の魚 東京湾はすしダネの宝庫 「江戸前の魚」渡辺栄一著【故郷の本たちへ河野良恒】(78)

 茂原市の生家はマキの生け垣に沿って母屋に通ずる長い小道があった。秋には銚子からサンマを売りに来たトラックが小道にとまり、カネを鳴らしながら、「サンマ大漁、安いよ」と呼ばわり、近所を触れ回った。

 母は大バケツ一杯サンマを買った。だが、「きょうもサンマ、あしたもサンマ」の毎日ではさすがにあきた。腸(は ・・・

【残り 1342文字、写真 1 枚】



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郷土の人の本