女性はベトナム人 富津の死体遺棄

 富津市笹毛の国道沿いの草むらで女性の遺体が見つかった死体遺棄事件で、県警捜査1課と富津署の特別捜査班は22日、女性は横浜市戸塚区汲沢町、ベトナム国籍のチン・ティ・タン・バンさん(32)と判明したと発表した。

 司法解剖の結果、死因は特定できなかったが、死後2週間から2カ月が経過。大きな外傷はなかった。捜査班は現場に靴がないことなどから死亡した後に現場まで運ばれた疑いが強いとみて、殺人容疑も視野に詳しく調べている。

 捜査班によると、チンさんは日本人の夫(43)と長男(13)、長女(8)の計4人で暮らしていたが、昨年12月5日、夫が神奈川県警に行方不明者届を出していた。夫は「(チンさんは)11月26日朝には自宅にいたが、夕方に戻ってきたらいなかった」と説明しているという。夫の話では、チンさんが財布や携帯電話を入れて持ち歩いているバッグが自宅からなくなっていた。捜査班は22日、近隣署からの応援を含め75人体制で現場周辺を捜索したが、同バッグなど遺留品は見つからなかった。

 事件は21日正午ごろ、国道127号から約20メートル離れた草むらで、ガードレールの設置工事をしていた男性作業員が女性の遺体を発見した。現場に争ったような形跡はなかった。


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