<夢の舞台、気持ち引き締めてがんばってきます>五輪に続き、再び世界の頂点を目指すメンバーに名を連ねた、柏市育ちの酒井宏樹選手(24)。12日の代表決定直後、少年時代から見守ってきた恩人の祝福メールへの返信には静かな闘志がみなぎっていた。また、母校の生徒は憧れのヒーローの快挙を喜び、活躍を願った。
酒井選手が小6まで所属したクラブ「柏マイティーFC」の代表で、現在も親交がある倉持行一さん(49)=茨城県取手市=は運転していた車を止めて車内でテレビ中継に見入った。
膝の状態が心配され、当落線上にいるという情報もあっただけに、ザッケローニ監督から酒井選手の名が挙がると胸をなで下ろした。「まず、ほっとしました」
すぐに携帯電話を手にし祝福のメールを入れた。
<選出おめでとう!日本代表として暴れて来て下さい。応援してます。膝の状態は大丈夫?>
すると、30分もたたないうちに力強い返信があった。
<大丈夫です!!夢の舞台、気持ち引き締めてがんばってきます>
「本当に真面目。いつもすぐに返信がきますよ。プロだからって偉そうなところはなくて、当時と同じようにつきあってくれている」
3月のキリンチャレンジカップ(対ニュージーランド)後には、サムライブルーのユニホームが自宅に届いて感激した。そんな律義な男を、家族も巻き込んで応援し続けてきた。
体の成長や技術の進歩があっても、ボールの蹴り方や1対1での間の取り方はあの時のまま。「身体能力を生かして攻撃参加してほしい。たまに変なふうに抜かれるでしょ?守備はヘタだったんですよ」
そう笑う瞳に、ブラジルに向かうサムライへの強い期待感と熱いエールがにじんだ。