光る技術、6点を認定 千葉県「ものづくり製品」制度

 千葉県は20日、県内中小企業が製造する独創性に優れた工業製品を認定する県制度「千葉ものづくり認定製品」で、新たに6製品を認定した。ユニークな形をしたドーナツ型のトレーニング器具、消防車の車内スペースを広げるハイルーフなど、高い技術力が光る力作が集まった。県は今後、インターネットでの情報発信や商談会開催などを通じて販路開拓を支援する。

 精密機器部品製造業の光精工(富津市)の筋トレ器具「くるくるパンプアップ」は、高精度な金属切削技術で実現した製品。アルミ製のドーナツ型ケースの中に鋼球が入っており、手に持って左右に振ると遠心力による負荷がかかり、腕や肩などの筋トレができる。直径11センチの男性用(7500円)、10センチの女性用(6500円)とも手のひらサイズで持ち運びしやすい。プロのキックボクサーでもある秋山大輔専務は「仕事の合間などのちょっとした時間にトレーニングしてほしい」と話す。

 ベルリング(柏市)の「消防車用カーボン製ハイルーフ」は軽量かつ強度のある素材を活用したハイルーフ。車内スペースが広がるため、車内に救命器具などを積むことができる。2011年に発売後、野田市や成田市も含め全国の自治体などに約30台を販売した。飯野塁社長は「命に直結する仕事なので、責任を持ってものづくりに取り組みたい」と意気込む。

 製袋業の鈴木特殊化工(八千代市)の「ベルポット」は袋型のプランター。ポリエチレン製のフィルムとネットを組み合わせ、通気性と水はけを両立。使用後は燃えるゴミとして処分できる。3枚セットで250円。ホームセンターなどで販売しているが、鈴木春彦社長は「農家向けの販売にも力を入れていきたい」と販路拡大に期待した。

 このほか、オーファ(浦安市)の「FG処理チタン製2輪摺動部パーツ」、ナプソン(東京都江東区、工場・千葉市)の「タッチパネル用フィルム導電膜のシート抵抗測定装置」、丸山金属工業(船橋市)の「軽薄短小『パチン』と止まる丸バネホック」を認定。認定製品は累計112点となった。

 県庁で同日開かれた認定書交付式で諸橋省明副知事は「皆さんの製品は千葉の宝。一層磨きをかけて、千葉の産業をリードしてほしい」と各社の代表を激励した。


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