中ノ瀬など東京湾奥のシロギスが気温の上昇とともに好期を迎えた。13~24センチがいい人で1束前後。初心者でも20~30匹。東日本大震災でサオを置くことを余儀なくされた当方は、腕がムズムズ。「そろそろ出掛けるか」と浦安「吉野屋」にTEL。「猫実地区は液状化現象はなく、被害もあまりなかった。10日ぐらいで出船できた。ケンさん、キスを取材して遊漁船業を励まして」。店主の吉野愼太朗さんの言葉にサンデー釣行を決めた。
「釣れている」ホット情報でシロギスの乗合船は、客でにぎわっていた。座は左舷胴。釣友が右隣に続く。定刻に河岸払い。高田義弘船長の操舵で航程1時間余りの中ノ瀬を目指す。
この日の海況はナギ。薄日も差している。が、昨日の強風で潮が少し濁っていた。潮回りも良くない。素人の域を出ていない友は、キス初チャレンジ。「釣れるかな…」と心配ながら船上レクチャー。「投げる必要はない。仕掛けを船前に落とし、着底したらイトフケを取る。10秒間に1回、サオ先を50センチほど上げて誘いを掛ける。エサの青イソメの垂らしは3~4センチ」にうなずく。
ポイントに到着。「水深は22メートル。ケンさん、ここで数日前にトップ1束オーバー。大中小がうじゃうじゃいる。潮さえ利けば必ず釣れる。頑張って」。船長の合図で“海の女王”との出会いが開始された。
第1投。チョイ投げして船前に引いてくると、早くも「ククン」のシグナル。ひと呼吸おいてハリ掛かりを確認。リーリングするとハリスに躍ったのは、かわいい天ぷらサイズの14センチ。この後、数匹を連釣し、1時間で10匹のペース。「ケンさん、どうしたの…。きょうは調子がいいね。どこまで続くか…」と船長が茶化す。
案の定、右隣の友が大苦戦している。手前マツリの連続で、イトの絡みをほどくのに時間がかかり、仕掛けを船前に投入できない。これでは釣れない。
2時間を経過して、当方は20匹台。友は1匹の顔も見ていない。見かねた船長がここで乗り出してきた。ヒゲ船長の愛称で客に親しまれている高田さんは、湾奥のすべてのポイントを熟知しており、「キス釣りに関してはこの人あり」と知られている。……
今週の見出し
館山沖 西川名沖 春イサキ上昇
白浜沖、ヤリイカ好乗り
袖ケ浦沖 クロメバル順調
飯岡沖、狙えるフグ
ホウボウも大型ぞろい