東京湾奥のシロギスが、夏本番を迎えて小柴沖、中ノ瀬、木更津沖、富津沖、姉崎沖の各ポイントで好調に釣れている。13センチから24センチの小中大型が上で1束超え、下で20、30匹とキス党を喜ばせている。定宿の浦安「吉野屋」にケータイ。キス担当の高田義弘船長によると、「数なら姉崎沖、富津沖。型なら中ノ瀬から小柴沖。丸々と太った20センチがかなりそろう。絶対に釣らせるから来なさい」。このホット情報に逆らう手はない。「おじゃまします」と相成った。
午前7時前に同宿に到着。老舗の船宿はアジ、フグ、マダコ、タチウオなどの客で相変わらずのにぎわい。店主の吉野愼太朗さんにあいさつし、乗船。座は当方が指定席の左舷胴。友が右隣を確保。しかし、大混雑のスシ詰め状態。「これではオマツリが心配…」と思っていると、宿の配慮で2隻出しとなった。
定刻に河岸払い。まずは操舵室で船長から情報収集。「昨日はシケ模様。それでも良型まじりでトップは90匹台。が、きょうは底荒れが心配。潮もあまり良くない。僚船は姉崎沖で数狙いだが、こっちは型を攻めるよ。ちょっと遠いが中ノ瀬から小柴沖に行く。ケンさん、私に任せなさい」。
高田船長は、同宿の名物男で“ヒゲ船長”の愛称で親しまれている。湾奥のポイントをすべて知り尽くし、サオを握れば2時間ほどで100匹はクリアするすご腕。その日の釣況に応じて、ポイント変更するのは、客に釣らせるためのサービス精神からなのだ。
海はナギ。照り付ける陽光は厳しいが、吹き抜ける涼風は心地良い。1時間30分のクルージングを楽しみ、ポイントに到着。「水深は24メートル。10秒間に1度、サオ先を30センチほど上げて誘って。誘えば必ず食ってくる」。船長の合図で“海の女王”との出会いが開始された。
「春以来の釣行。キスくん、待っていろよ」。青イソメの頭の硬い部分をハサミで切り落とし、2本バリにチョン掛けして、船前にチョイ投げ。イトフケを取って船長直伝の誘い。3、4度、この誘いを繰り返すとサオ先の反応。“リーチ、一発ツモ”で15センチ、天ぷらサイズを初ゲット。続いて同型を4連チャンして「どうだ」。幸先良いスタート。
右隣の友のサオが曲がった。慎重なリーリングから20センチ超えの良型を取り込み、思わずニッコリ。「このサイズならお造り、塩焼きでいける、頑張るぞ」。この友、今回がキス2回目の釣行。「初挑戦で20匹。きょうは倍の40匹」。このノルマを果たすべく、額に汗して奮戦するが、手前マツリが多く、仕掛けのイトが絡んで釣果がなかなか伸びない。...
今週の見出し
洲崎沖 オニカサゴ活発
那珂湊沖、スルメ好乗り
飯岡沖 マダイ、ハナダイ好調
勝山沖 カワハギ始動